意識の高さ

最近のニュースに関連して、思ったことをいくつか。

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2020年東京オリンピック開催が決まり、連日喜びの声が報道されました。

とりあえず盛り上がってみたものの、実際の開催は7年後だと気づき、「あれ?そのとき自分は何歳だろう…」と我に返った人も多いのではないでしょうか。(そんなにいないか…)

7年後、自分はどんなポジションで、どんなことをやっているのか。一つのメルクマールとして、予想や目標を立てた人は多いのではないかと思います。


報道でもたくさんの人のコメントが流されていましたが、その中でも印象に残ったのが、卓球の平野美宇選手のコメントでした。


「7年間は短いと思う。今のままではメダルは取れないと思うので、それまでもっと練習したい」


そんなことを言っていました。

何がすごいって、平野選手いま13歳なんです。7年後は20歳。

13歳からの7年間をどう過ごし、どんな20歳になっているかなんて、自分を振り返ってみると、まったく想像もできない遥か未来だったと思います。


他のスポーツ選手のインタビューでも、「選手として一番脂がのっている時期なので」「チームを引っ張る立場になっていると思うので」といった、"7年後"の「何かができるようになっている自分」を点で想像したコメントは聞かれました。
アスリートなら誰でも夢や野望を持っているだろうし、それを信じて口にするのは大事なことだと思います。

一方でそんな中、"7年間"というプロセスを現実的に想像し、短いと感じ、「できていない自分」をイメージしたコメントが、13歳の子の口から出てきたというのは、ちょっとした驚きでした。

これが1つの道をつき進んでいく一流の人の意識なんだなーと。



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トルコで日本人学生が殺害されるという事件がありました。

カッパドキアは一度は行きたいと思っている遺跡だし、被害者が前途ある学生さんだったという点でも、非常に残念な事件でした。被害に遭われた方、ご遺族にはお悔やみ申し上げます。

この事件の報道で印象に残ったのは、インタビューされていた現地のトルコの方のコメントです。


「彼女は我々の文化を学びに来たゲストだ。我々は彼女を守れなかった。本当に申し訳ない」


ニュースキャスターでも、政府のスポークスマンでもない、一市民の言葉です。
この人はすごくトルコという国を愛して、誇りを持ってるんだなーと感じました。

日本で外国人が巻き込まれる事件があったとき、同じように受け止め、口にできる人がどれだけいるでしょうか?

国の権利や歴史・伝統を主張することが愛国とうたわれているけれど、同じだけの熱を持って、"国として"の行為ですらない一国民の落ち度を我が事として受け止め、謝罪できる人がどれだけいるでしょうか。

文化的な違いや日本とトルコとの関係などの背景もあるかもしれないけれど、国を誇るっていうのはこういうことなんだなと思いました。