2012衆院選:子育て支援・子ども虐待予防政策まとめ

今週末は選挙ですね。

子育て支援関連の政策に関して、各党の公約が比較されているブログやサイトをまとめてみました。
あと数日ですが、期日前投票前の方はご一読をどうぞ。

病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog
子育て支援NPO代表が斬る、衆院選子育てマニフェスト比較

白河桃子オフィシャルブログ
フローレンス駒崎代表の各党子育て支援策比較によせて

にっぽん子育て応援団
次世代育成政策に関するアンケート



ただ紹介するだけというのもアレなので、おまけに自分でもちょこっとコメントしてみました。
各党公約はMAMApicks記事(衆院選2012、各党の子育て支援関連政策をピックアップ)から孫引きしたものに、子ども虐待予防に関する記述を公約原文から追加してあります。


民主党

・妊婦健診の公的助成を含め、出産にかかわる費用の自己負担がほぼいらないように助成する。これまで拡充してきた不妊治療に関する支援をさらに充実する。
子育て支援の予算を増額して、新児童手当と合わせて、保育所整備などの現物給付、育児・仕事両立支援の充実を図る。
保育所定員の増員、放課後児童クラブなどの整備、質の高い幼児教育・保育などを実現するため、保護者や地域の実情に応じて計画を立て、着実にすすめる。
・保護者の就業形態にかかわらず、また都市部でも地方部でも安心して子どもを通わせることができるよう、幼保連携型認定子ども園や小規模保育などへの給付制度を着実に実施する。
・子どもにかかわる施策について、省庁の縦割りを排し、総合的な子ども・子育て支援を実施するため、2014年までに「子ども家庭省(仮称)」の設置について結論を出す。

(以下公約原文より追加引用)
・子どもの虐待防止に社会全体で取り組む。

うん。公約には特に不満はありません。「着実に」って2回も書いてありますが、着実に進めてもらえるなら。
虐待予防についてはもうちょっと詳しくほしいところ。



自民党

・「若者支援」、「結婚」、「出産」、「子育て(教育)」を通じて家族を幅広く支え、子育てを幸せと実感できる「家族支援政策」を積極的に進めます。
少子化問題克服のための、抜本的な意識改革や、仕事と家庭の両立支援など環境整備を促進します。
・待機児童解消のため、処遇改善などによる保育士の確保をはじめ即効性のある対策を講じます。また、現行保育制度を基本に、量・質両面の充実を図るとともに、ゼロ歳児に親が寄り添って育てることのできる環境の整備を進めます。
・年少扶養控除を復活させます。

(以下公約原文より追加引用)
<虐待予防>
・出産前や子育て中の母親が孤立しないように、子育ち・親育ち・家族育ちを積極的に支援するとともに、虐待の早期発見に向けての地域や社会における取り組みを加速します。
・虐待された子供たちに笑顔を取り戻すために必要な支援を行います。

<教育・人材育成>(※一部抜粋)
・幼児教育の無償化、義務教育での就学援助制度の拡充、高校・大学における給付型奨学金の創設に取り組みます。
・きめ細やかで適切な特別支援教育を推進します。
・孤立しがちな若い親に対する家庭教育の支援体制を強化します。

「ゼロ歳児は親が育てるべき」という“伝統的価値観”を大切にしている人たちが、「少子化問題克服のための抜本的な意識改革」を掲げるっておもしろいですね。偏見かもしれませんが、文体の端々からどことなく上から目線の印象を受けます。
虐待関連の記述は民主党よりはいい感じです。



日本未来の党

・子ども一人当たりの中学卒業まで年間31万2000円の手当を支給し、その一部を「子育て応援券」(バウチャー)とする。
・結婚・出産が女性のキャリア形成に不利にならない社会を創る。
・子どもが虐待や育児放棄にあわないよう親の子育て環境の改善を図る。
・離婚・別居時に両親が子どもの共同養育計画を作成することを義務化する。
・家庭・学校・地域が一体となって「子育て」「子育ち」を応援する社会を創る。
ワークシェアリングを促進し、家庭と仕事の両立ができる社会を創造するとともに、完全雇用を実現する。

現金支給って、もちろん助かる人もいると思いますが、受け取る側任せにせずもうひとひねりして仕組みを考えてほしいなぁと思ってしまいます。減額や廃止が容易にできるのはこども手当で証明済みで、それをアテに人生設計もできないし。その意味でバウチャーはいいと思います。



公明党

・18歳まで医療費負担を1割に - 現在就学前まで2割となっている医療費の窓口負担について、18歳まで1割への軽減を目指します。
・幼児教育の無償化
・出産費用の負担軽減 - 出産育児一時金を現在の42万円から50万円に引き上げます。また、妊婦健診14回分の公費助成を恒久化します。
不妊治療や不育症への支援の充実 - 不妊治療への公的支援を拡充します。流産や死産を繰り返す不育症の方を支援するために、適切な治療体制の整備や経済的負担の軽減を図ります。

(以下公約原文より追加引用)
児童虐待の対策として児童相談所や市町村に専門家を増やし、子育てなどのアドバイスをしていきます。

虐待対策含め、政策が具体的で、好印象です。この分野に熱心な方が多いんだろうなぁと想像します。(支持層が反映されてるのもあるんでしょうけど。)



日本維新の会

保育の成長産業化(例)
・保育バウチャー制度の導入
・新規参入規制の撤廃、規制緩和
ワークライフバランス

教育改革〜世界水準の教育復活へ〜
・公立学校長の権限の拡大・強化、校長公募など、学校マネジメントの確立
・世界標準の英語教育と海外留学支援、最先端を行くICT教育環境
・教育バウチャー(クーポン)制度の導入=教育機会を拡大するとともに教育機関の切磋琢磨を促す

保育業界の規制緩和は基本的に賛成です。ただ、保育サービス運営費の大部分は補助金なので、この分野への公的支出が増えない限り、市場も拡大しないということは言っておきたいです。



共産党

・即時原発ゼロへ、放射能汚染から子どもたちを守ります
・妊娠、出産による解雇を許さず、育児休業制度の改善、男性の取得促進などをすすめます
・「子ども・子育て新システム」による保育制度改悪は中止し、国の責任で認可保育所をつくります
・小児科、救急医療体制の確立をはかります
・子育ての不安にこたえる体制をつくり、児童虐待の防止対策を強化します
・子どもの豊かな成長をはぐくむ地域づくりをすすめます

できたらいいな、と思います。即時て。



みんなの党

民主党自民党公明党の談合政治で導入された「子ども(児童)手当」はバラマキ政治の象徴。地域主権の観点から、地方自治体の創意工夫による現物・現金給付へと見直す。
現金給付は子どもの多い家庭への支援を打ち出すために、子どもの数に応じた傾斜配分を拡充する。
・子育てしながら働ける環境(待機児童ゼロ、家庭的保育や病児保育、一時保育の拡充、育児休暇取得の円滑化、職場の意識改革、男性の育児休暇取得率の向上等)を整備する。
・最も待機児童が多い0−1歳児については、家庭的保育の受け入れを大幅に増やす。
・家族の在り方が多様化したことを受け止め、シングルマザーのみならずシングルファザーに対する支援を充実する。
・同じ所得の場合、子どもが多いほど税負担を緩和する。
・幼児医療の無償化、不妊治療の助成拡大、小児緊急医療体制・新生児集中治療施設(NICU)の拡充を図る。

多様な保育サービスや、待機児童に0−1歳児が多いことにも触れているところがよいです。
それなりに具体的に書いてあるのに、虐待予防には一言も触れていないのが残念。



社民党

・「子どもの権利」保障の観点から子ども・子育て支援に取り組みます。保育・地域の子育て支援学童保育などのサービス支援と児童手当などの経済的支援は車の両輪です。両者のバランスを取りながら、特に緊急性を要しているサービス支援の拡充に取り組みます。
・社会資源の有効活用(認可外保育施設への支援、保育ママ制度の拡充、小中学校の空きスペース等を利用しての認可保育園分園化、幼稚園の認定こども園への移行促進など)を積極的に行い、待機児童の解消を図ります。
・保育・教育施設の客観的基準(職員の配置基準、面積基準等)を欧米諸国並みの水準に引き上げます。
・先進諸国は児童ポルノに対して厳しい規制を行っています。日本においても、子どもの人権を守る観点から子ども買春の根絶と児童ポルノの規制強化に向け、「児童買春・児童ポルノ禁止法」の改正に取り組みます。なお、この際、表現の自由を侵したり、表現者に過度の萎縮をもたらす強権的なものとならないように留意します。
・子どもに関する総合的な政策を一元的に行う「子ども省」(仮称)をつくります。

(以下公約原文より追加引用)
・子どもの貧困を解決するために、国が中心となって、子どもの貧困の実態把握、子どもの貧困削減のための具体的な目標の設定、削減計画の設定を行い、包括的な取り組みを実施していきます。
・母子保健事業や保育等を通じて要支援家庭を早期に発見し、自治体や地域の支援などにつないで、子どもの貧困、児童虐待を未然に防ぐことができるよう地域の関係諸機関連携の強化による支援体制の充実を推進します。
児童相談所と子ども家庭支援センターの機能強化、協働体制の強化を図ります。医療・教育部門の対応能力強化を図り、相談援助部門(児童相談所と子ども家庭支援センター)との連携を強化して、児童虐待を防止するための切れ目のない支援体制をつくります。
児童ポルノは子どもの性的虐待の記録です。被害者は、インターネット等による膨大広範な流布等に対する不安と恐怖に一生苦しめられます。児童ポルノの深刻さを国民に広く知らせるとともに、子どもの権利保護の観点から、ブロッキング(撮影された画像が人目に触れないようにする)の導入に必要な支援を行います。

さすが社民党
子どもの貧困や、虐待予防のポピュレーションアプローチからハイリスクアプローチまで手厚く記述があります。連立でこの分野だけ担ってほしいくらいです。



新党大地

・女性の視点に立った子育て、介護等の制度、施設の充実。女性の積極的な社会進出の推進、女性議員の増加。
・子供は国の宝。学校教育と家庭教育、双方の改善強化によりいじめをなくし、心豊かな教育を取り戻します。
・政治、ビジネス、介護、看護、子育て等、女性の役割が強く求められています。女性の社会進出、登用を積極的に進めます。

「子育て、介護をするのは女性の役割」という価値観がにじみ出た公約ですね。。



国民新党

奨学金制度の拡充 - 所得格差が教育格差にならないように、意欲があれば誰でもが大学、短大、専門学校等への修学が可能となる奨学金制度を創設します。すべての人にチャンスを与えるものです。
奨学金や学資保険等の新規金融サービスの早期実施で家計に占める教育費の負担を軽減し、消費を喚起。

子ども関係では教育政策にしか言及なし。



新党改革

・待機児童解消のための幼稚園・保育園の増設、費用の無料化の検討を通じて、バラマキ政策ではない、少子化対策の再構築を図っていきます。
・男性の育児参加、家事の時間を増やしていくため、通勤時間や労働時間の短縮、ワークライフバランスの拡充も進めていきます。
・「脱ゆとり教育」をさらに進めて「詰め込み教育」を行い、優秀な日本の子どもを取り戻します。ここで言う「詰め込み教育」とは、子どもの学習進捗に合わせて、現場で柔軟に学習内容を決めることができる教育です。

できたらいいな、第2弾。
ゆとり世代も選挙権を持ち始めているのに、脱ゆとりで「優秀な日本の子どもを取り戻します」って失礼では?(笑)



いかがでしょうか?
ではみなさま、ぜひ選挙の日は投票行って外食してください。