文科省調査:支援が必要とされる子どもの割合について

ついに公表されましたね。
平成24年版「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」

発達障害をもつ人が世の中にどのくらいいるのかということは、その本質が「健常」と切れ目のないスペクトラムであるがゆえに、はっきりした統計がなく、国内では平成14年版「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」の結果である"6.3%"という数字が頻繁に引用されているのを目にします。

この調査は医学的診断に基づくものではなく、通常学級の教員が「知的発達に遅れはないものの、学習面や行動面で著しい困難を持っている」と回答した児童・生徒の割合で、そのため「厳密にはもっと少ない」とか、「いや目立たない子を入れたらもっと多い」とかいろんな意見がありました。

実際僕の周りで学校関係の人に聞いてみたところでは、1割前後という印象の人が多いようでした。


そこで前回調査から10年経った今年、この割合がどう変化するのか注目していたのですが。
結果は"6.5%"と、前回調査とほぼ変わらない結果でした。

調査方法が異なるため単純比較はできないですが、2回の調査を通して、現在の学校教育で難しさを抱える子どもの割合としては、おそらくこのくらいが妥当だと捉えてよいのでしょう。

あとは「クラスに2,3人」というこの割合を社会がどう受け止めるか。


今回の調査では「支援の状況」についても調査がされていて、教員が「学習面や行動面で著しい困難を持っている」と感じていながら、「いずれの支援もされていない」生徒が38.6%だそうです。

「授業時間内に教室内で個別の配慮・支援(座席位置の配慮、コミュニケーション上の配慮、習熟度別学習における配慮、個別の課題の工夫等)」すら行われていない子が4割=単純計算で各クラス1人は放置されている子がいる、と。
(これについては「回答した教員が何らかの配慮をしていながら、特別な配慮とは考えていない」という解釈もできるようですが)


「小規模学級の導入」や「特別支援教育の充実」なんて今更言うまでもないのですが…。いや、言わなきゃダメか。少しでも声を上げて。




12/6 23:50 追記:

ナチュラルに「学校教育で難しさを抱える子ども」とか書きましたが、それがイコール発達障害ではないことは、もっと強調してもし過ぎることはないのだなぁと下記ブログを読んで思いました。

確かにマスコミは、「発達障害と推定される子ども」なんて平気で書いてます。
問題なのは「発達障害であるかどうか」ではなく、「支援を必要としているかどうか」であることを改めて付記しておきます。

lessorの日記:「6.5%に発達障害の可能性」とは言うけれど