『本日は大安なり』/辻村深月

ようやく文庫化されたのでさっそく。

思春期・青年期の若者を描いた"第一期"を経て、最近の辻村作品は女性性にフォーカスしたものが多かったので、だんだん投影しづらくなっていたけど、今回は久しぶりに楽しんで読めた。

感情移入できたのは、ウェディングプランナーである主人公の、「人と向き合う職業のプロとしての意識や喜び」みたいなところ。スタバで涙が滲んだであるよ。

複数の話の同時進行(グランドホテル方式というやつ)や広げた伏線の回収、最終的に心地よく読了させる技量もさすが。
疑わしい描写には気づくんだけど、確信には至らず、あれ?やっぱりそうだったの?と読み返さずにはいられない。

そしていつものファンには嬉しい仕掛けも。

久しぶりに無心で読書する時間が持てて満足でした。



↓辻村作品だとこのへんもおすすめ。

子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

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